【読書感想】イーロン・マスク 上・下巻
本日の読書感想は世界一の長者となったこの人の伝記。最近だとtwitterの買収で世界的な話題となったが、その内側が赤裸々に描かれていたのは特に面白かった。
マスクは南アフリカのプレトリアで生まれ育った。父親は多重人格でサイコな面があり、暴力を振るわれていた時期もあった様子。大学生になる時期にアメリカに渡り、工学などの分野を学ぶ。そのため、今でもエンジニアリングや物理設計などの分野が得意。経営者となった今でも、ロケットや電気自動車の設計の細部(ネジの数)に至るまで、注文を付けてくる。
アスペルガー症候群を患っているのか、対人関係は器用に構築するというよりは、何が何でも自分のやり方を押し通そうとする。アドレナリンジャンキーで、平穏よりもリスクを好んで取っていく。
今や経営している会社は数多い。(スティーブジョブズでもアップルとピクサーの2社だったのに)
・スペースⅩ(ロケット打ち上げ事業) 人類を火星に住まわせる
・テスラ(電気自動車) 環境保全に貢献する
・ニューラリンク(人工知能・ロボット) 労働力の確保
・Ⅹ(旧twitter)SNSに限らず金融決済、自由言論、エンタメ何でものおもちゃ箱
・他にも何社か(X・AIなど)
「命がけの戦いこそ、前に進み続ける原動力」と言っている。
スペースⅩのロケット打ち上げに成功するまでの期間、テスラのバッテリ実用化ができるまでの期間など、黎明期には技術の立上げまでに資金不足で倒産の手前まで追い込まれたりしたが、それらを乗り越えてからは安定した経営期に入る。
しかし、そうするとまたリスクを取りたくなり、twitter買収に入っていく。
自身が超ハードワーカーであり、とてつもない目標を定めて、その期間は「シュラバ」に入り、土日も昼夜もなく仕事に打ち込む。そして、それを部下たちにも強要する。
買収したtwitterについても同様で、牧歌的だった社風を一掃し、従業員を8割削減した。
更に今後はAIでも、Ⅹ AIという会社を立ち上げ、より広い分野に手を伸ばしていく。
どの会社もイノベーションを本気で起こすものであり、それをやり切る気概やタフさは凄まじいが、この人の下で働ける人は限られるのも事実。