xsalaryのブログ

ごく平凡なサラリーマンです。平凡な日々に刺激を与えるため、ネタになることを集めて書いていこうと思います。

【読書感想】東京23区×格差と階級

品川区に住んではや半年以上が経った。東京23区についてもっと知りたく、この本を取り上げた。東京は年収や階級など様々な要因で地域や格差が分かれている。

地域別では「中心と周縁」「西と東」で大きく分かれる。

山手線の中の方が、また西側の方が収入が高い傾向がある。

階級別では経営層が最も高く、次いで新中間階級(大企業の管理職など)、中産階級、労働者階級などに分かれる。

 

■東京23区の区分け

①都心三区(千代田、港、中央)

・ビジネス、官庁街エリア、山の手と下町エリア、埋め立て地もありかなりの多様性がある。

・全体的に所得は高いが、高層マンションが林立する一方、狭小な一戸建てが密集する地域もあり格差は大きい。

②新宿区・中野区

・都心の飯田橋や神楽坂付近や新宿の繁華街付近には高所得世帯が多いが、新大久保や神田川水系周辺は単身が多く、所得も低い傾向がある。

・新宿は無数の繁華街を抱えるため、就業実態の把握が困難。

③文京区・豊島区・北区

・三区が隣接する地域は街の雰囲気に共通点が多い一方、豊島区は池袋、北区は赤羽という繁華街があり、文京区は繁華街のない山の手エリアである。

・文京区は全体的に所得が高く、豊島区は中程度、北区は低い傾向があるが、マンション開発によって多様性が大きくなっている。

台東区墨田区江東区

台東区墨田区は江戸時代から続くもっとも下町らしい地域で、古くから旧中間階級が多い。

江東区はマニュアル職に従事する古い住宅街がある一方、湾岸エリアには高層マンションが増えて変化が大きい。

⑤品川区・大田区

・江戸時代の旧街道の雰囲気を残す地域で、台地や低地部分を含む。

・品川区は全体的に所得が高く、特に都心に近い部分でその傾向が強い。

大田区は田園調布など一部に超高級住宅があるが、町工場が多く「ものづくり」の拠点となっており、中間層が多い。

⑥渋谷区・目黒区

・ほぼ全域が山の手台地にあり、都心三区に次いで所得水準が高い。

・渋谷区の一部に高層マンションがある一方、全体に低層住宅が多い。

・都心のエリアで再開発が進む一方、貧困地域も残る。

・富裕層向け商業施設に鈍化されることなく、多様性を確保した空間を維持している。

⑦杉並区・世田谷区

・23区の西端に位置する現代的な山の手住宅地の典型

・世田谷区は専門職・管理職に従事する経済資本に特化した区民が多く、杉並区はより専門職に特化した文化資本の比重が高い区民が多い。

・経堂、松陰神社前三軒茶屋、高円寺、阿佐ヶ谷など山の手の中の下町といった趣の地域もある。

板橋区練馬区

板橋区は山の手と下町の境界にあり、下町を中心に工業の町として発展、練馬区は全域が山の手台地に位置し、農業を中心に発展してきた。

板橋区は単独世帯や六十五歳以上の人口が多いため所得が低い傾向があり、練馬区は子育て世帯が多く、所得も高い傾向がある。

荒川区・足立区

荒川区は大部分が低地で、人口減少・高齢化が進む商工住混合地域である。

・足立区は工場労働者の多い地域だったが、都心で働く新中間階級の流入が進んでいる

・中間層の流入が多いため、新旧住民の格差は比較的少ない。

葛飾区・江戸川区

・23区の東端に位置し、川を隔てて千葉県に隣接する全体が低地のエリアである。

高所得者は都心に直結する路線駅周辺や都心へのアクセスが良い東西線沿線に集中

・所得水準は低いものの、全体的に格差は小さい。

 

東京は階級都市として格差と分断が発生しているが、今後はこれらを解消し交雑都市へと変貌していけるかが一つの課題となる。